美女と野獣!? ~モテない男と、美女のキセキの恋~
朝も早くから、蝉が我先にと鳴き始める。


それを聞きながら、両頬を軽く叩いて、だらけた自分に気合いを入れる。


久しぶりに制服に袖を通す。


約束しなくても逢える学校が今日から始まる。


洗面所に行ったら、弟が先に占拠。


「ちょっとぉ、サッカー命のくせして、色気つかないでよね?」


眉間にシワを寄せて怪訝に弟を睨む。


「うっせぇなぁ。
男は、決める時は決めるんだよ。

姉貴こそ、彼氏いるんだから色気つかなくてもいいだろ?」

手に付けたワックスを髪に馴染ませて、サイドに流した。


「彼氏の前だから、綺麗にしてたいの!
そんな乙女心が分からない奴が生意気言わないの!!

邪魔だから、どいてよね。」


弟の腰に、軽く蹴りを入れてやった。


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