月と太陽の恋愛関係~Ⅱ~
風にサラサラと髪が舞う。
春の香りがどこからか風に乗り、俺の鼻をくすぐり、そして去って行く。
そんなのどかな屋上で、
「ぶふっ、…ははっ、あはははははっ!!」
誰がどう聞いても下品な声で笑うのは、そう太陽。
「アホだなっ、お前!
あぁー、腹いてぇ‥」
「ふんっ…
仕方ないじゃん…。」
「だって、キス…ぐふふ……」
「そんなに笑わなくてもいいじゃん…。」
さっきの声は太陽にも聞こえたらしい。
っていうか…
「そんなに笑わなくてもいいじゃん……」
「あっ?
だって…キス……ぶふっ‥」
「もういいっ!」
俺は駆け出す。
勢い良く屋上の扉を閉め、猛スピードで階段を駆け降りる。
何で…
きっと太陽は俺が他の子と話しててもなんとも思わないんだ…。
涙がこぼれないように、唇を強く噛み締め走る。
こんな事、笑って受け流せば良かったのにね…
だから、だから狂っちゃったんだね…
それでも俺は太陽の事が…
好きだよ………