戦乙女と100の物語

あたしたちは木々を避けながら進んでいった。




早く早くっ


ハールア…



その時、




『わ、あっ?』




ドスンっとあたしは正面から転んだ。





「ユウリっ?!大丈夫?」




『…へへ。木の根っこにつまずいちゃった』




立ち上がろうとすると、膝に痛みが走る。



『痛ッ…』




すると、ルーナは何も言わずに自分のマントを破った。




『ルーナ?』




『…よしっ』




擦りむいた膝は、ルーナのマントの切れできれいに巻かれている。




『これで立てる?』



ルーナは微笑むと、手を差し伸べてくれた。




『あ、ありがとう!』




少しふらつきながらも、足を動かしてみる。




…痛くない



やっぱりルーナは
こういう事にも慣れているのかな







ガサガサッ





『「!?」』




茂みがいきなり音を立てた。





誰かいるの?



もしかしてまた…




「「あっ!!」」




茂みから出てきたのは
一人の女の子だった




『えっ?…リルにナル?』



その女の子の声は
どこか聞いたことがあるようで…




「「やったやったぁ!







ハールア、久しぶりだぁ!」」






ええっ!?





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