PURE



遠野雅という女は知らんぷりをしてメールを続ける。


すると担任の高橋が颯爽と教室に入ってきた。



「HR始めるぞー。」



高橋は遠野雅にちらりと目をやったが、またすぐにみんなの方へと視線を戻した。



出席確認と連絡事項の確認を終えると、高橋はまた颯爽と教室から出ていった。


そして、朝のお決まりが始まる。



「海野さんさ〜、昨日男とラブホ行ってたって本当?」



「え?
マジ?
ダッサいくせに何考えてんの〜?」



上島里奈たちがキャハハと一斉に笑う。



あたしは構わず読書を続ける。



バンッ!



机を叩いた音が響いたと同時に気付くと、上島里奈たちの前に遠野雅が立っていた。



「おまえら、ウザイ。」



そう言い放つと、遠野雅はあたしの手を取り、教室から走り去った。





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