神様のきまぐれ
突然、鳴った電話に
会話は裂かれたまま、
私たちは再び
別れることとなった。



静まり返った家の中で、
私は、元田さんから
預かった宿題と、
日向さんへの宿題を
抱えこんでいる。


元田さんへの返事と・・・。


「もう、本気で
連れて帰りてぇよ、
俺・・。

ちゃんと、返事、
聞かせろよ。」

息が詰まるほど、
咳込むほどきつく
私を抱きしめて

彼が吐き出すように、
囁いた言葉。


耳に、日向さんの吐息と
感覚が、残ったままだった。




 
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