神様のきまぐれ
「おまえさ、志央の事、
興味あるだろ?多少は。」

「えっ・・・。」

なくはないけど・・・。

「別にいいんだけどな。
おまえをうちのバンドに
引き込んでしまったのは、
俺にも過失があるわけだ。
何がいいたいか、と、
言うとね・・・

遊び慣れてないなら、
二人になったりとか
調子に乗ってやらないこと。」

志央は、確かに、
マスコミに女性関係で
よく取り上げられてる。

この短期間ですら、
マネージャー氏が、
度々、奔走しているのを
気の毒に思いつつ、見ていた。

「志央が本気ならね、
とめもしないし、
邪魔するつもりもないけど。
今は、あいつの言動の真意に
確信もてないし。

俺は、ヒナコを、
あいつのオモチャに
するつもりは、
最初からないから。」


さっきのコトバも・・・。

今のコトバも・・・。

忘れかける終了の時と、
契約の目的を思い出す。


来週からの残り六回のライブ。

こんな恋愛みたいな気持ちに、
時間を費やしてちゃ
ダメなんだ。

しっかりしなきゃ。



だけど日向さん・・・

私が追い掛けたのは、
志央じゃなくて・・・。




きっと、

思いもしないのよね。


・・・とても、


いえそうにないけど。





 
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