神様のきまぐれ
 
なんで
ヒナコは

拒まなかった?


俺は
ニーノでも
志央でも、ない。


ヒナコは、

わかってるんだろうか?

それを。



今は、まだ、
隣で眠る彼女への疑問。 



何で・・・
ヒナコを抱いた?


自分に対する疑問・・。

自分自身に対する疑問・・。

決して、志央に
触発されたわけじゃない。

自分の中で、
どこかで答えを認識してるのに
相手の考え次第じゃ、
その答えを認められない。


やがて、彼女は
ゆっくり瞼を開けた。

体を起こし、髪を手グシで整え
そばにあったキャミソールを
サラっと被って、
恥ずかしそうにうつむいた。


「私・・今日はもう、
帰ります。」

「ああ・・・」

「風邪、お大事に。」

服を着ながら
ヒナコはいう。

「送るよ。」

「まだ早いから平気です。
それよりライブ
もうすぐだから、
体調整えてください。」

彼女は、
俺の顔をみつめる。

何も聞かずに・・・。
何も言わずに・・・。


そして額に手を当て、
熱がないか確認する。

「安静にしてたら、
きっと大丈夫ね。」

そう言って笑む。

思わずその手首を掴んだ。


「おまえ・・・」






 
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