3人の き も ち

《映樹と弥生》



「それで?」

「あの…その。…だから…。」


珍しくシドロモドロの宮越をじっと見ると、彼は照れたのか、プイッと横をむいて。


「だから、OKもらったから。」

そう言った。


「…何それ、のろけ?」


うっすら赤いもんだから、嫌味のひとつも言いたくなる。

もう、落ち込んでは無いけど。

…フッた相手に、言うか?

普通。



「違う。…俺は…、花村は大事な奴の1人だと思ってるし、その…。
色々、迷惑とか、いっぱいかけたから、な。最初に俺から言いたかったンだよ。」



へぇ…。

一応、自分は彼の中では、大事な人物として、扱われているらしい。

恋愛感情は、どうしても向けてもらえなかったが、それでも大事だと思ってもらえるのは嬉しい。


それでよし、と、するかな?



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