咲いても、枯れても1~サクラ色~
『アイツと居たんだろ』
『え?』
声を押し殺して、呟く。
きっと、佑馬くんに聞こえないようにしてる。
『アイツ…って?』
分かってる。
誰かなんて、そんなのは。
けれど、海斗が彼を“アイツ”と呼ぶから。
もしかして、知り合い?
『西条拓だよ』
名前を聞いて、息を呑む。
前に拓の名前は教えたはず。
だけどなんでそれを────
『お前、顔に出やすいんだよ』
ああ、と思う。
深く考える必要は無かった。
私の表に出てしまった感情を、海斗が読み取っただけ。
そう、それだけ。