LOVE SONGS
ヒロの家に帰ると、リビングでお義母さんが俯いてるのを見かけた。


『お義母さん‥?』

『あぁ。さやかちゃん、おかえり。どうだった?』


『渡してきたんですけど‥』


あたしの顔を見て、事態を察したようで、お義母さんは力なく笑うと二階に上がって行った。



おじいちゃんとおばあちゃんのせいだ‥


形だけでも出てくれたらいいのに。



『あ。おかえり。』


後ろを振り返ると弟が立っていた。


『ただいま。』


『今日おかんが、あんたの家に電話したみたいだよ?』


『なんで!?』


『結婚式に出てくれって頼んだみたいだけど、ぼろくそ言われたみたい。』



『うそ‥』


『おかん泣いてたよ』


それだけ言うと、あたしを残して出掛けて行った。



あたしの心の中は祖父母への怒りでいっぱいだった。
< 29 / 30 >

この作品をシェア

pagetop