初恋ドロップ
「ン―・・・
っ・・・・て」
――不意に聞こえた
彼女の寝言
掠れた声で何を言ってるのかは聞き取れない。
「――――
―ぃ・・かない・・・で」
微かに、だけど確実に
その言葉は俺の耳に
届いた。
ほらな?
――――やっぱり。
後ろの席で寝ている彼女の方に静かに振り向く
彼女の頬から流れる
一筋の涙が証拠――
騒がしい教室
そっと、
誰にも気付かれないように
彼女の涙を拭った
頼むから一人で
泣かないで
俺の心が締め付けられる