甘い蜜
「んぅ………」
軽く身じろぎ。後一押しだな。
「麻理亜。起きろ。買い物」
「ん……敬夜さん……?」
当たり前のように名前を呼ばれ、頬が緩んだ。
「おはよう」
「あれ……私、寝てた?」
「あぁ」
あらま、と麻理亜が言う。
「暇だったんだろ」
「うん。暇だった」
そうだろうな。
何せ一日中寝ていたようなものなんだから。
よく、寝れるよな。
「ほら、買い物行くぞ」
「どこ行くの?」
麻理亜は帰る準備をしながら聞いてくる。
まぁとりあえず麻理亜の服買いに。後は適当。