アイコンプレックス
とりあえず落ちつこう。落ち着いて・・・。

 これからどうしろ・・・・って言うの?!


 「昌也・・・・」

 携帯の振動。慌て携帯を取り出す。
 携帯画面に「稚依(ちより)」

 肩の力が抜ける。
 「もしもし・・・?」

 「佐由(さゆ)。いま大丈夫?」

 携帯を耳に当てたまま無意識に周りを見回す。

 「うん。何・・?」

 「あのね。」

 「うん」

 ・・・稚依。どうしたの?って人の心配事考えてる場合じゃないのに。

 「明日。空いてる?」

 「うん。たぶん」

 「じゃあ明日の午後、教室で・・・」

 「稚依。あのね・・・」

 「うん」

 「ううん。別に。じゃあ明日」

 携帯を切ると余計にガランとする。

もう力が出ない。

 何だかもう。どうでもいい。

 床に寝転がる。

 「汚いな・・・。この部屋」

 掃除を最後にしたのは、いつだろう・・・

 頬に落ちる涙。

 「馬鹿みたい。泣く理由なんて無いのに」

 これが全部、夢ならいい。

 そしたら、いつもの自分に戻れるし
 いつもの生活。
 
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