天☆地戦争
第一章:世界三分

‡天界‡

「…これが、長きに渡る『天地戦争』の始まりじゃ…」
しなやかな白髪を月夜に浴びせながら、老婆は静かに目を開いた…。毛布にくるまりながら、年にして5歳程の少女は、彼女の話を静かに聞いていた。月夜のみの明かりが、少女の金色の髪をよりいっそう際立てていた。
「ねぇ、お婆様。『せんそう』はいつ終わるの?」
薄暗がりの中で、瑠璃色の瞳が老婆をとらえた。老婆は、静かに顔を上げ、月を眺めた…。
「さぁな…いつじゃろうなぁ。この婆は、もう長いこと生けぬからのぉ。婆ごときでは、もうこの戦争は止められはしまい。」
老婆は、そっと少女の髪を撫でた。
「お婆様ァ、アタシなら『せんそう』を止められる??」
老婆の手が止まった。少女の視線が痛い…。老婆はゆっくりと瞬きをし、重々しく口を開いた。
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