スケベの季節
「ちょっと奇抜な策ですが・・・」
劉備三兄弟、ベアトリクスが見守る中、諸葛亮はうっすらと目を開けながら、初めての献策を行った。
「ここより遥か西の地、ガンダーラに、人々が幸せになれる性典があると聞きます。かなりエロ知識満載であるそれを手に入れることができれば、もう曹操とか目じゃない的な、今夜は朝まで帰さないみたいなアレになると思います」
衝撃的な献策にベアトリクスは悲鳴を上げた。
「きゃあぁ!それってエッチ本の元祖ってこと!?年頃の乙女のハートを鷲掴みじゃない!」
「まてよベアトリクス!俺たちだってビンビン来てるぞ!こりゃあ乱世どころじゃないぜ!」
「そのような最高峰の聖知識、拙者のキャパシティで受けきれるだろうか」
「ウッ!なっ、涙じゃないからな!おいらの目から出てるのは、ただの汁だからな!」
心の残念な人たちの感動が、部屋の温度を3度くらい上げた。
「劉備様。いまこそ、肌色桃色の新世界、Hの後でも 愛してJK、らぶみっどないと おるがず・・・」
諸葛亮が次の言葉を言いかけたところで、ベアトリクスは彼の頭を思いっきりはたいた。
「女の子にエロネタ言うときは、オブラートに包みなさい!」
そう抗議したベアトリクスであったが、
(あんた達・・・あんた達、キラッキラ光ってるよォ!)
と胸の奥では腐ったハートが感動に打ち震えていた。
「よーし、じゃあみんなでガンダーラ目指し、レッツゴー!性典をゲットして、愛を次のステージへと押し上げるのダ!」
劉備の雄たけびに、仲間達は腕を突き上げてときの声を上げた。

いくすじもの小川が集まり、やがて大河の流れを作り出す。
しかし、もしかしたら出会うはずだった流れが、別の方向に向かってしまうこともあるだろう。
ベアトリクスは、帰るべき未来を見失った。


       おわり

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