年下ダーリン
「風邪?」




「そ、風邪。結構ヒドイみたいで、ずっと寝てる」




なんだ……風邪か。



ホッと胸を撫で下ろし、莉奈と無意識につめた距離をあけた。






…てか、翔大丈夫なの?ヒドイって……






「あ、あのさッ!!翔んちって……」




「その必要、ないじゃない」








……え?





「翔ちゃんが莉奈に伝言頼んだ理由、分かんないの?」



莉奈はハァとため息をついて、勝気な瞳で私を見た。その目が「勝った」と言っていた。








「もうオバサンはいらないってこと」






それだけを言い残して、私から離れていく莉奈の背中を見えなくなるまで見つめていた。その姿に、そこにはいない翔の姿が重なる。









………さよならは、あっけないものだってことさえ、翔は直接教えてはくれなかった。



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