年下ダーリン
あ~……、何やってんだろ、私……






地面を数メートル歩いた上靴を片手で持ち、ローファーと持ちかえ、靴箱に入れる。依子は校門で待っていた。








まさか…こんなにボーッとしてるなんてね……






砂の匂いが鼻をかすめる。依子が変だ、て言うのも当然。上靴履いて帰る人のどこが
大丈夫なのって話。








『翔ちゃんが莉奈に伝言頼んだ理由、分かんないの?』





莉奈の顔が浮かぶ。くりくりした目……。ホントに可愛い顔をしていた。





私とは……全然違う。






口元がゆるむ。自嘲。



翔も正気に戻ったんだ。初めからおかしかったもん。六つよ?誰が好き好んで、あんな可愛い子ほっといて、私みたいな年上選ぶの?それ以前に、まだまだ先は長い…。今私を無理に選ぶ必要なんてなかったんだもん。








これが……普通の日常なんだ





ローファーのつまさきを地面でかるくたたいて、依子が待つ校門まで走る。













もう……忘れなきゃ
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