年下ダーリン
「なっ…離して……!」



顔を背けようとすると、グイッと引き寄せられ、温かくて力強い腕に包まれた。


どんなに離れようとしても、びくともしない。
でも、力いっぱい翔の胸のあたりを押す。



「いや……!」





「ごめん」


腕に力がこもる。





「何も言わなくて…ごめん」





私の頬を温かいものがつたった。止まらなくて、止められなくて、翔の肩に落ちて消えていった。
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