虹が見たい理由
エピローグ
「私の答えを聞いても、悪循環は止まらないと思うけど。」
私は水たまりを避けて歩く。
「それでも、聞きたい。」
前の茨は、振り返る。
水たまりに光が反射した。
太陽が顔を出す。
「止んだみたい。」
後ろから傘をたたむ音と亜利哀の声。
「…虹が見たい理由は、そんなのないってのが答え。」
私も傘をたたむ。
「何それ、あたしらもっと悪循環するじゃん。」
ケラケラ笑う茨。
「まぁ、そういう答えもある。」
一緒に笑う亜利哀。
「でも、虹を見るのは悪循環じゃないでしょう?」
私も微笑んで、空を見上げた。
そこには、青空に浮かぶ虹。