first love【完結】
「はい。これっ!」
部屋に入るなり亜紀は綺麗に折られた紙を俺に手渡した。
「何だよこれ?」
広げてみると、そこには《体育祭のお知らせ》と大きな字でそう書いてあった。
「これ渡しにわざわざ来たのかよ?」
「まぁね……。あと、お母さんにこないだのお礼を渡しに」
制服をクリーニングに出した日、亜紀は金を払うと言って聞かなかった。
母親が断ると、“じゃあ、今度お礼をさせてください”亜紀は確かそう言っていた。
その礼をしに、わざわざうちまできたわけか。