メイドが執事に恋をする



しばらく笑っていた桜井さんはあたしの無言の怒りに気づいたのか


「…っくく。
悪い、こんなっ…。


今時ベタなことするやついるんだなと思ったら…あはっ。」




全然詫びられてる気がしないんですけど。


そのまま痛さと悔しさと格闘する。




しばらく笑って気が済んだのかしゃがんであたしと同じ目線になった。


「悪い、悪い。
見せてみろ。冷やさないと腫れてくるかもしれねえからな。」


そう言いながら正面からあたしの後頭部に触れた。





しゃがんでいるから桜井さんが真上にいるといえばそうなんだけど!

見方によったら抱き締められてるみたいなっ。
姿勢になってるよ!!




そう思ったら一気に体温が上がった気がする。

顔が真っ赤になってきたのが自分でもわかるくらいに熱い。



痛いのが飛んじゃうくらいにドキドキしてしまった。











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