ダチュラな私。

それでもぼんやりと理解は出来た。

この男が私になにかしようとしていたことも、あの封筒を私に送ってきた人物がコイツだということも。

そして。
全てが終わったということも。


安堵からなのか、恐怖からなのかは私にもわからないけれど。

ただ、私は泣き続けて。

騒ぎに気付いた近所の人達が呼んだ警察が来るまでその場に座り込んでいた。

何かの拍子に摘み取ってしまった赤い花を、右手に握り締めながら。
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