【実話】アタシの値段~a period~
家具や家電を買いに行こう、と
浩介が仕事の合間にやって来た。
そもそも、浩介がこの部屋を探してきてくれたのは
浩介が構える会社の
オフィスが入ったビルも
この近くにあったから。
女の一人暮らし、
何があるか分からないから、と。
「カーテンやテレビくらい買ってやるから」
そう言ってくれる浩介に
大丈夫、お金はあるから。
と断った。
お金なら、本当にあった。
これ以上、浩介には頼れない。
もう、この上なく
頼ってしまったのだから。