【実話】アタシの値段~a period~
pm.7:00
隆志からの着信。
こんな早い時間にかかってくる電話は
決まっていつも、夕飯の誘い。
「今日はパスタだぞ♪」
『あはは、それは楽しみだわ、お父さん。』
「おいっ、お父さん言うなっ!」
そんな会話は何より幸せで。
電話を切った後、本当はすぐに走って隆志の部屋に行きたいのを
グッと堪える。
隆志の部屋までは歩いて15分。
それに加えて、30分ほど、自分の部屋で待機する。
いつもそう。
アタシはまだ、近くに住み始めたことを言えずにいた。