【実話】アタシの値段~a period~
俺は再び、あの白いアパートの前に立っていた。
真実を確かめないことには
このまま逃げていても何も分からない。
時間が経って、先程よりも少し冷静になれた俺は
誤解であることを祈りながら
エレベーターに乗り、二階のボタンを押した。
「お前は異常にネガティブな性格だ」と
例の同僚には言われる度に
散々、反論をしてきたが
今回ばかりは
そんな性格が生んだ
ただの誤解であって欲しい。
そう、心底思いながら
三つ目のドアの前まで辿り着いた。