【実話】アタシの値段~a period~
「………隠し通せってことか…?」
手を引け、だとか
真実を話せ、だとか
間違なくそんな言葉で詰め寄られると思っていた俺の
拍子抜けした表情を見た浩介は
ははっと、静かに切なそうに眉を歪め
ユキがほとんど
睡眠も、食事もとらないことを教えてくれた。
「見てられないんだよ。」
そう独り言のように呟いた浩介は
やはり、ユキの事が好きなんじゃないか
と、思った。
けれど、それは俺が
他人を理由なしには
大事に出来ない人間だからなのだろうか。