【実話】アタシの値段~a period~
『ねぇ…隆志……』
アタシは再び寝転ぶと
重たい頭を
隆志の肩に乗せて思う。
貴方に出逢えてよかった、と。
「大丈夫?」
耳元で囁くその声が
今ではアタシの生きる意味。
『ねぇ、例えばさ
誰もが皆、道行く全ての人間が独りぼっちなら
この世に「孤独」なんて言葉は生まれなかったと思わない?』
隆志はアタシの髪を撫でながら
黙って話しを聞いてくれた。
いつも、そう。
『例えば
誰もが皆、全ての人間が生まれつき独りぼっちなら
誰も「愛情」なんてものは求めなかったと思うんだぁ。』