【実話】アタシの値段~a period~
あとはー…っと。
プレゼント!
そっと丁寧に
アタシはそれを取り出した。
綺麗な硝子に
シルバー色の針が良く似合う
シンプルなかけ時計。
何にしようかって迷った時
思い浮かんだのは
これだった。
『喜んでくれるかなぁ』
隆志の部屋の配色にはとてもミスマッチな
赤色の時計を
キッチンの椅子に乗って壁から外し
隆志の喜ぶ顔を
つい思い浮かべる。
アタシってば
今日は、ニヤけてばっかり。
椅子から降りて
新しくなった時計を真下から見上げる。
うん、この部屋に
良く似合う。