【実話】アタシの値段~a period~
直人の顔が近付く。
アタシの心臓が、いっきに体内へと血液を吐き出す音が
耳にまで聞こえる。
そして
唇が重なった。
1秒ほどの短いキスは
アタシのファーストキスだった。
直人はハニカム。
アタシの顔は真っ赤だったと思う。
唇が離れ、ぎこちなく見つめ合うアタシ達は
今ここが世界の中心なんじゃないかってくらい
幸せに包まれていた。
少なくとも
アタシはそう思っていた。