君が君を好きになって。2


「も…もしもし」

『白羽君?久しぶり』

「お久しぶりです…」

『久々に、君のピアノが聴きたいんだが』





「え、はい」





──今から、家に来ないか?



嬉しい。嬉しいんだけど、翠の家は碧の家。

「会ったら嫌だな…」

碧の父親、翠は、有名な作曲家であり、演奏家であり、白羽のピアノの恩師でもある。

懐かしさに、胸が踊った。






ピンポ───ン。

ドアが開くと、出てきたのは翠だった。

「お邪魔します」





翠は、碧とは性格が180度違う。
碧は、母親とも性格は違う。
物静かで、厳しくて、笑顔なんて見せたりしない。

でも何処か、人を惹き付ける。

其処だけは碧も受け継いでいる感じではある。












< 36 / 59 >

この作品をシェア

pagetop