夜の女に恋をした
第七章 キラリの謎
その後、悠嘉は順調に回復を見せた。


俺は仕事が終わると見舞いに来ていた。

悠嘉が退屈しないよう、ゲームや本など買って。



香織ちゃんの方はというと、美咲ちゃんに事情を知った大谷が話し、それが真帆ちゃんに伝わった。

真帆ちゃんも美咲ちゃんも自分を責めるなと言ってくれた。

誰1人として俺を責める人がいなかった。


逆にそれが辛かった。


誰かにお前のせいだと言ってほしい。

ドMだからそんなんではなく、香織ちゃんが悪者だと思われそうだから。



ただ、最後に話したあの言葉、”何なのよ。この人も真斗くんも・・・・”。

香織ちゃんはきっと俺を恨みながら死んでいったのだろうな。




だから週に1度は香織ちゃんの眠る墓に花を届けることを決めた。

植物が好きだった香織ちゃんに出来る唯一の罪滅ぼしだから。

季節の花や彼女の好きだったガーベラやマーガレット、百合。



これで少しだけでも・・・恨みが少なくなるように。
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