夜の女に恋をした
第三章 嘘と未来
よく考えたら俺は悠嘉いた店、フェアリーに行くきっかけがなくなったわけだ。

悠嘉いないし。

てか、悠嘉は俺と一緒にいるから店になんて行かなくていいじゃん。


悠嘉が俺の家に来て早3日。

全くもって手は出していない。


慎吾に言わせてもらうと”ありえない””ヘタレ””臆病者”だそうだ。


もし、手を出して悠嘉が出て行ったりなんてしたら・・・こわい。


悠嘉は悠嘉で新しい仕事先を探している。

今度はセクキャバは辞めるらしい。


スナック、キャバクラこのどっちかにすると言っていた。

でもキャバクラは派閥がやっぱりあるから怖いみたいだ。

スナックできっと働くことになるんだろう。



ガチャッ。


「おかえりぃ~♪」


ミニスカートに長いエプロン姿で俺を迎えてくれた。

今日は・・なんだろうこの匂い。


「ただいま。」


俺が靴を脱いでいると


「今日はロールキャベツだよ♪」


ロ、ロールキャベツ・・・。


俺は思い出した。

えみちゃんのことを。


あれから連絡が来てるけど、あの日えみちゃんの家に行けなかったのが気まずくて返事をしていない。


「た、楽しみ。」

思い出してしまってどもってしまった。



えみちゃんにはちゃんと連絡しなきゃな。
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