計算できない恋愛
私の祈りが届いたのか西岡は満足気に、にんまりと笑い終礼を終えた。
クラスメイトへの挨拶もせずに早足で教室を出る私。
教室の外にあの男の姿は見えなかった。
そのまま王子が教室から最短距離で私の教室へ向かうために使うルートを避けつつ校門に向かう。
きっと王子が教室を訪れればあの親切な笹田が彼を迎え、私の10円を預かってくれることであろう。
グッジョブ笹田。
その10円で笹田に何か買ってやろう。
駄菓子とか。
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