TWILIGHT SLIDER

└見えた光

夕夜の家に到着すると、華はすぐに手当てを始めた。

「イテッ…」

「大丈夫ですか?」

ピンセットを持った華が心配そうに顔を覗き込んできた。

ピンセットの先には、消毒液を含ませた綿があった。

「大丈夫だよ」

夕夜は笑って返事をしたが、切れた唇の痛みにすぐに顔をゆがめた。

華は心配そうに夕夜を見ながら手当ての続きを始めた。

「ごめんなさい、私のせいで先輩がまたケガをして…」

「いいんだ、華が無事だったらケガなんかどうってことない」

「先輩、今…」

その時、言いかけた華をさえぎるように玄関のチャイムが鳴った。

「こんな時間に誰だろう?」

夕夜がソファーから腰をあげた瞬間、華が不安そうな顔をした。
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