TWILIGHT SLIDER

├手紙

眩しい光に急かされるように、華は目を開けた。

目の前には夕夜が眠っていた。

ここは、自分が元住んでいた場所だ。

夜遅くに夕夜がきてくれて“愛してる”って何度も言いあいながら、いつの間にか眠ってしまった。

目の前にいるのは、最愛の人だった。

「――んっ、おはよう…」

夕夜が目を開けてあいさつをした。

「おはよう、夕夜」

華はあいさつを返した。


身支度を済ませると、夕夜と華は部屋を後にした。

「隆一、今までありがとう」

華はそう呟くと、合鍵を郵便受けポストに入れた。

チャリン…と、ポストの中から小さな音がした。

「これでいいの?」

そう聞いた夕夜に、
「うん、これでいいの」

華がニコッと笑って首を縦に振ってうなずいた。
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