TWILIGHT SLIDER

├ばんそうこう

――あのアザは、何だったのだろう?

歓迎会から1週間が経った今でも夕夜の頭に浮かんでいるのは、華の太もものアザだった。

それが何かを意味しているような気がして、夕夜は気になって仕方がなかった。


「――夕夜ってば!」

綾乃の声で、夕夜は現実に戻された。

「――ああ、何?」

「もう、何を考えてたのよ!」

呆れたように綾乃が言った。

「彼女が話をしてる時に他のことを考えるなんて信じられない」

「ごめん…」

小さな声で、夕夜は謝った。

「まさか、他の女のことを考えてたんじゃないでしょうね?」

そう聞いてきた綾乃に、
「えっ…?」

自分の心臓がビクリと跳ねた気がした。

「夕夜?」

綾乃の表情が険しくなる。

「――違うに、決まってるだろ…」

吐息のような簡単に消えてしまいそうな声で、夕夜は言った。
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