TWILIGHT SLIDER

└死にたい理由

――終わりにしたい…

そう言った華を夕夜は見つめることしかできなかった。

「――死にたいの…」

泣きながら、華が言った。

「――大村さん…」

夕夜は名前を呼んで、華を抱きしめた。

「――桜木先輩…?」

夕夜の腕の中で、華が驚いたように顔をあげた。

「――つらいんだろう?」

呟くようにそう言った夕夜に、華は首を縦に振ってうなずいた。

「だったら、気が済むまで泣けばいい」

夕夜は華を抱きしめている腕の力を強めた。

そうしないと、華が消えてしまうような気がしたからだ。

「――つらかったら、気が済むまで泣けばいい…」

華は自分を抱き締めている夕夜の腕が震えていることに気づいた。

「――先輩…」

そう呼んだ華が驚いたのも、無理はなかった。
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