TWILIGHT SLIDER

├八神との出会い

高校に入学しても、中学時代のトラウマが華の心を支配していた。

さすがにいじめられることはなかったが、周囲になじむことができなかった。

クラスの中では1人だけ、華は浮いた存在だった。

話しかけてくれる人はいたが、華は怖かった。

――またいじめられるかも知れない。

そんな恐怖が華を支配して、彼らに返事をすることができなかった。

話しかけても答えてくれない華に飽きたのか、誰も人がこないようになった。

クラスメイトの女の子たちは、いろいろな話で盛りあがっている。

アイドルグループの話、テレビの話、好きな男の子の話、ファッションの話、芸能人同士の熱愛話――それは全て、華にはついていけない話題だった。

お菓子をつまみながら楽しそうに話をしているクラスメイトを、華は遠くから眺めていることしかできなかった。

そんな日々を過ごしていたある日のことだった。
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