お姫様に焦がれて

この高校の図書館にはいろんな本がある。
推理物や恋愛物の小説はもちろん、勉強の参考書になる物や、新聞、それも英字の物まである。また、DVDを見れるスペースも少し作られており、時々雪も利用している。

その数ある本の中でも、雪は童話の本が一番好きだ。この日も童話の本が置いてあるコーナーに行き本を探す。


「どれにしよっかなぁ~……。」


そういって人差し指で1冊ずつ本を指しながら決める。しばらくその動作を続けているとある1冊の本で手が止まった。


「うん、これにしよう。」


そしてその本を取り出す。取り出したのは、『白雪姫』の本。
雪はこの本が好きでいつもこの本を手に取っている。

早速雪は本を両手で胸に抱え、教室の奥の方へ足を進める。


「今日は天気がいいから、きっとあそこもいい日当たりだよね。」


少し足早に雪は進む。



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