黒き手が…
二人は駆け出し、学校へと向かった。

そして校門を乗り越え、例のプレハブ小屋へと来た。

「えっ…?」

息を切らせながら、ふとミナは正気に戻った。

―何故、ここへ来てしまったのだろう?

逃げ場所ならば、もっと人気の多い所の方が良かったのではないのか?

なのに逃げている途中、迷わずここへ来てしまった。

まるで導かれているように―。

「ねっねぇ、フーカちゃん。帰ろう。ここは危ないよ!」

しかしフーカは反応しない。

体を折り曲げ、苦しげに顔を歪めていた。


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