黒き手が…
「でっでも…」

「いいから。具合が悪い時は、甘えなさい」

そう言ってマカはホウキをミナから受け取った。

「それじゃ、私が掃除代わるからね! ちゃっちゃと終わらせて、早く帰りましょ!」

クラスメート達に聞こえるように言って、マカは掃除を始めた。

クラスメート達もマカに言われては、早く動くしかない。

そんなマカを教室の隅で眩しく見つめるミナ。

いついかなる時もミナの味方で、優しくしてくれるマカ。

だからこそ、自分は闇の中から抜け出せたのに…。

きっと今夜行かなければ、明日からしつこく付きまとわれるだろう。

となれば、昔の自分の過ちもマカに…。

ミナは唇を噛んだ。

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