俺が大人になった冬
「あ、あのさ。今日はなんで?」

「え?」

「土曜じゃん……旦那は?」

おずおずと彼女に尋ねてみる。

すると彼女は小さく「あ……」と言ったまま、困ったような顔で俯いてしまった。

「なんかあった?」

「あ、あのね。元くん」

目を上げてまっすぐ俺を見つめながら、彼女はあまりに唐突に予想もしていなかった言葉を口にした。

「きょ、今日泊めて……」

いきなりの彼女の言葉に、胸が大きく鳴る。

「え?」

「よかったら今日、泊めてもらえないかしら……」
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