俺が大人になった冬
「自分の旦那に怯えるような今の生活は、絶対普通じゃねぇよ。俺と一緒にいると、あんたは幸せだって言うけど、俺、あんたにはいつも幸せでいて欲しいんだ。あんたにはどんなときでも心から笑っていて欲しいんだ!」

会わないこの数日のあいだに考えていた思いを伝えながら、落ち着いて話していたつもりが、気づけば興奮して声が大きくなっていた。 

彼女は大声を出されることは人一倍恐怖になるだろうから、冷静に話すつもりでいたのに。やはり願っても大人なるのは難しい。

「ご、ごめん。大きな声出して」

俺が焦ってそう言うと、彼女は軽く微笑み「ううん」と、首を振った。

「元くん、食事が終わったら見せてくれる? そのインターネットのページ」

「え?」

彼女の前向きな言葉は、とても嬉しかった。

離婚させて俺の物にしようとか、そういうことでなく、純粋に嬉しかった。
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