† 黒猫とクラウン †
† 出会い †
「おーい千影、一緒に帰ろうぜ!」

「うん。分かってるよ」

僕の名前は「築城千影」。

自分で言うのもなんだけど、ごく普通の中学生だ。

今日も、僕の親友「泉水蓮」と下校することになったらしい。

「今日も」というのは、毎日蓮が今日みたいに話しかけてくるから。

だから僕はいつも同じ返事を返す。

僕は蓮とずっと一緒にいて、ずっと同じようにこの掛け声をかけてくれるんだと思ってた。
【次の日の下校時】

「おーい千影、一緒に・・・あれ?」

いつもの台詞が突然途切れて、ちょっと驚いた。

「なに?」

「お前・・・猫なんて飼ったのか?」

不意にそんな突拍子もないことを聞かれて、

「・・・え?」

と聞き返してしまった。

「ほら、お前の頭に乗ってる黒猫だよ」

しばらく言葉の整理に時間がかかった。

黒猫?

頭の上に?

・・・そもそも猫ってこんなに軽かったっけ?

重さを全然感じない・・・。

蓮は僕をからかってるのだろうか?






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