色、色々[短編集]

私のことを、友人達がどういうイメージで見ているかというのは安易に想像が出来る。私自身もそう思われたいと思うからこそ。


明るいとか、元気とか、マイペースとか。

強いとか、流されないとか。

そんな自分でいたかったからこそ、そんな自分で見られたかった。嫌だと思うことは無い。自分で望んだことなのだから。

無理をしているつもりもないし、そもそもそういう自分に近いだろうとは思っているし。

可愛く泣いたり支えて貰ったり、そんな女の子に憧れる気持ちがないと言えば嘘になるけれど。


1人で乗り越えられる物は乗り越えて。
出来るだけ弱音は吐かずに、気にせずに。


出来ていたのに。どうして今日は出来ないのだろう。


『なんかあったの?』


普通に話をしていただけなのに、友達が急に話の途中で私にそう問いかけた。


「――え?」

『やーなんかテンション低く感じたから』


いつも通りにしているつもりなのに。どこかやっぱり違うのだろうか。
それを笑って「眠たいだけ」だとか、「そんなことないよ」と流したらいい。


だけど、流せないからこそ『いつもと違う』のだろう……。


「ちょっと…ね。色々考えちゃって…」


何を言いたいのだろう。
自分に問いかけながらも口だけが動く。吐き出すように。呼吸をするように。しないと生きて居られないように。笑えないように。



「友達なわけじゃないんだけど……ちょっとした顔見知りの人に……嫌われてるのかなって思うようなことが、あっただけ」



特別何かをされた訳じゃない。
特別何かをしたわけじゃない。

自分の思い過ごしなのかも知れない。ちょっと声を交わしたときに、ちょっと無視されただけだ。

気付かなかっただけかも知れない。だけど気付かないわけがない。大好きだったわけでもない。

だけど何をして何をされたかが分からないから……柄にもなく悪い事ばかりを考えてしまう。
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