色、色々[短編集]

だけどサークルは嫌いじゃない。スノボは好きだし旅行も好き。夏が嫌なだけ。
だけどたまにこの人の熱さの中からはみ出してみたくなるのは事実。


「お前ら女って仲悪いの?」

「仲悪かったら一緒に遊ばないよ、何よ急に」

「なんとなく、女の子は腹の中がわからないからなぁ」


まあ、言いたい事はわかるし、女の私だってそう感じるときはある。

だけど一つ教えてやろうか?微妙な関係の理由は大和、あんたも少し関係しているんだよ?

口に出して言えないのは、そんなくだらない事に巻き込まれたくないから。

私は一人蚊帳の外から眺めているのがちょうどいい。あんな中に巻き込まれたら溺れて溺れて這い上がれなくなりそうだもの。


「あ、もう一本ちょうだい」


人のあげた煙草を、惜しみもなく、半分くらい残した状態で火を消して図々しくもう一本をねだる。


「やだよ、買いに行けば?自販機あるよ、あそこに」

「タスポもってないもん、お前あるの?」

「ないよ、和也が持っているんじゃない?聞いてこれば?」

「冷てぇなあ、お前は」


ぶつくさ文句を言いながら、防波堤を降りて和也のところに歩いて行く大和を眺めながら、バーベキューを楽しんでいた、数人の女の子の視線を感じた。

これだから、嫌なんだ。



大和は、軽い。
その気にさせる言葉を、いとも簡単に口にする。

もともと目立つ容姿をしているから、それだけで好きになってしまう女の子は少なからずいるだろうけれどそんな優しく軽い口が余計にそんな女の子を増やして行く。

そして何より大和はそれを見て楽しんでいるような馬鹿な男だ。気付いていないふりをしているけれど。多分気付いている。

そんな男だ。そんな男なのに惚れるなんて。

長い髪を後ろで一つに無造作にくくり、うなじを見せる。男のうなじに色気を感じるなんて初めてだ。黒い髪は無造作に束ねられると男らしさも感じられる。高い身長、無精髭程度に見えるくらいのさりげないヒゲ。切れ長の目。

そんな顔して甘い言葉を発する、心地のいい低い声。

性格を除けばいい男だとは思うけどあの性格である限りやつの事を男だとは思いたくない。

同じ学年で、同じ学科で、同じコース、そして同じサークル。
絡みたくなくても絡まざる得ない関係。それだけで少し人よりも話すだけで、変に睨まれる。
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