絆
とりあえず…………
一回家に戻ろうかな……。
そう思って、荷物をとる。
おじいちゃんの傍まで行って、手を握る。
「また来るね、おじいちゃん。」
そう言って、病室を出た。
足元がふらつく。
それでも強く、歩き出す。
自分のことなんてどうでも良かった。
別にあたしは
死んだって構わない。
だって要らない存在だから。
あたしがいるせいで、お母さんは別れられない。
あたしは、生まれて来なきゃ良かったんだ。
失敗…………しちゃったなあ…………。