【続】天国に近い場所
慌てた様子で走りながら、寝室を出て行く龍美。




熱?

ってことは、あの寒気は風邪だったの‥?





「ほら、熱計るぞ?」

「…ハーイ」


私は龍美から体温計を受け取り、脇に挟む。

龍美は私の隣に寝転がり、何度も私のオデコに手をあてたりして‥私を心配そうに見ていた。








《――‥ピピッ》


体温計の音が鳴る。


体温計を取ろうとすると龍美が、私の手を掴み私のパジャマに手を入れて、脇から体温計を取った。





「……げ、8度7分」

「‥8度!?」
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