マイスィートアフタヌーン
そろそろ駅を出る頃だ。時計を覗いたフレディは手の中で蓋を閉じ、顔を上げて驚いた。

三人が三人とも、同じような表情で彼を見つめていたからだ。


「なにか……」

「驚いた、あの人がミスターを連れずに戻って行くなんて。自分で暴れ回らずに報告を待つなんてできる人じゃないのに。よっぽどフレディを信頼したんだわね」


「すごい偉業なのよ、これは。フェアフィリスでも出来なかったことよね? ねぇ、ジョン、その後は?」

「僕の知る限りは……。僕も驚きました」


 偉業と言われ称えられても、むしろ一歩引いてしまうような心地になってしまう。

自分だけが秘密を知らないことに対する不満、それよりも騒ぎ立てるこの三人の子供を、保護者として統制を取らなくてはならないように思う方が強い。

秘密など明かされず終わろうとも、自分や彼らのしたことが道理に通っているとわかったなら良いのだが。

もっとも道理にもとろうとも、後々彼らに難が降りかからなければ良い。
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