マイスィートアフタヌーン
「ご明察でした。その後も予測しましたか?」

「あなたに――警察に話が行くことをです? だろうと思いました。けれど警察が動こうと、僕が見つからないことはわかり切ったことです。犯罪を犯したわけではないし、ホテルや船を偽名で取ってしまえばまず追跡は不可能ですよ。人に紛れて明日には港へ、明後日には海へ。母の手を逃れることなど簡単なことでした」


「つまり君はこの土地で、母君に見つかる心配はなかったわけです」

「えぇ」


「彼女たちがあれほど躍起になって君を守ろうとするほどに、危険などはなかった。なぜシティニュースにミス・シモンズを訪ねたのですか」


 笑顔が消え、沈黙が支配した。


ちらちらと揺れる炎が、彼らの顔を照らしている。

急に、他のテーブルの話し声が意識されてしまう。
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